三島由紀夫、努力について語る~『三島由紀夫語録』より【言葉のチカラ】

どーも、みなさん! いちみほんじん(一見本人 / いちサンプル)です。

 

言葉はサプリメントになる、言葉のチカラで這い上がっていこう! という趣旨で、古今東西における珠玉の名言・至言を集めて紹介していきたいと思います。

 

今回は『三島由紀夫語録』から、三島が努力について語った言葉を取り上げます。

 

なんか表紙のデザイン、特に題字が怖いんですが...


三島由紀夫語録

人間の能力の百パーセントを出してゐるときに、むしろ、人間はいきいきとしてゐるといふ、不思議な性格を持ってゐる。しかし、その能力を削減されて、自分でできるよりも、ずっと低いことしかやらされないといふ拷問には、努力自體のつらさよりも、もっとおそろしいつらさがひそんでゐる。

三島由紀夫 著 / 秋津建 編『三島由紀夫語録』鷹書房弓プレス

 

三島由紀夫で自己啓発、というとビジネス書っぽい響きになってきますが、やれ生産性だ、やれ効率化だといった経済主体のイメージはちょっとそぐわない気がしますので、三島由紀夫で自己陶冶! ということにしましょうか。

 

編者の秋津建氏の解説によると、三島はボディビル、剣道、居合、空手、そして英会話を三十歳過ぎてからマスターしたんだそうです。そんな三島が努力について語る上記一節について、編者は楽をすることの苦痛を見る眼と評し、それが三島由紀夫のダンディズムであると指摘しています。

 

三島の英会話、剣道、居合などについては動画が残っていますね。


Yukio Mishima Speaking In English

 

高齢化が進んだ今の時代だと、三十歳過ぎてから何かをマスターすることにあまり驚きはないんですが、多忙を極めるなかで肉体改造、自己改造を着実に図っていった過程は大変興味深いです。

 

三島が努力について語ったこの言葉に出逢ったとき、私は強い印象を受けノートに書き付けました。私がこの言葉に惹かれたのは、自らを賭する対象を見つけられていない自分に若干の安堵を覚えることが出来たからなんだと思います。努力する対象、情熱を向ける対象を未だ見出し得ない人間の辛さが肯定されている気がしました。十代、二十代特有の不安と焦燥のなかで、自分が思うようにいきいきと生きられていない、そこに忸怩たる思いがある。拷問に等しいと思える。でもそれは自分を100パーセント懸けられる対象をまだ発見できていないからにすぎないんだ。私はそこに希望を見い出すことができました。だから、ただ自分の道を見つけさえすればいいんだ、と。ひと言で言うと「俺はまだ本気出してないだけ」なんですけど(笑)、文豪の言葉だと勇気が出ます。

 

今回はここまでです。ありがとうございました! 今後ともよろしくお願いいたします!

 

私たちにはいつだって言葉がある。

けたたましく数字優先のこんな時代だからこそ、言葉のチカラを信じてみたい。呼び起こしてみたい。

響く言葉、癒やす言葉、救う言葉に、あなたがきっと出逢えますように。

そのとき、言葉は人類最高のソリューションになる。