どーも、みなさん! いちみほんじん(一見本人 / いちサンプル)です。
平成30年度(2018年)行政書士試験の合格体験記のシリーズです。行政書士試験(平成30年11月11日実施、平成31年1月30日発表)には、約半年間の独学で一回目の受験で合格しました。
前回から引き続き、記述式問題をテーマにしたエントリーになります。少々長くなったので、前編と後編に分けています。
今回の後編では「行政書士試験の記述式問題で点をとる方法」として、私にとって効果があった勉強法について具体的に書いていきたいと思います。いちサンプルとして参考になりますように!
前編では、平成30年度(2018年)記述式問題の答案と採点結果について分析しています。
記述式問題の対策としてやった教材は3点
前編に書いていますが採点結果(48点/60点)だけみると、記述式問題を苦にしていなかったかのように思われるかもしれません。しかし、決してそうではありません。また、記述式問題に特化した対策をきっちりやっていたわけでもありません。
記述式対策をしっかりやるには、時間が足りませんでした!
私が記述式問題の対策としてやった教材は下記3点になります。習熟度はバラバラで、ほとんどやっていないものもあります。
- 2018年度版 合格革命 行政書士 基本問題集
⇒ 掲載された行政法12問、民法19問の記述式問題をすべて反復して学習した。唯一仕上げたといえる教材。 - 2018年版 出る順行政書士 40字記述式・多肢選択式問題集
※
⇒ 問題を解いたのは、民法 64題中19題(3割弱)、行政法 33題中3題(1割弱)のみ。ほとんどが不正解。復習・反復をまったくしていない。 - 2018年度版 合格革命 行政書士 法改正と直前予想模試
⇒ 模試3回分(3回×3題)の記述式問題を解いた。答え合わせはしたが、復習・反復はしていない。 - 2018年版 出る順行政書士 ウォーク問過去問題集 1 法令編
⇒ 所有していたものの、記述式問題にはまったく手をつけていない。
※ 2018年版 出る順行政書士 40字記述式・多肢選択式問題集 には、平成30年度行政書士試験の記述式で出題された論点がすべて掲載されていました。本書を反復して仕上げていればかなり有利だったと思われます。
各教材の習熟度や他の教材については、過去のエントリーでくわしく書いています。
独学半年で行政書士試験に一発合格した教材9点を総ざらい!【前編】
記述式で点をとれた理由は、日頃の基本の積み重ね
前述のとおり、記述式問題に特化した対策はあまりできませんでした。とにかく時間が足りなかったので、結局ちゃんと仕上げたのは『合格革命 基本問題集』だけですね。
記述式問題に効いた具体的な勉強法
それでもそれなりの点数がとれた理由を自分なりに考えてみます。
- テキストをじっくり読む
- 問題集の解説をじっくり読む
- 問題集の答え合わせのあと、正誤問題の正の肢をじっくり読み返す
- 問題集にテキストの内容を書き写す(メモ程度)
- テキストに問題集の内容を書き写す(メモ程度)
- 暗記カードをつくる(比較しながら暗記が必要なところ)
- まとめノートをつくる(基本的に不要、苦手なところのみ)
こういった日頃の積み重ねで、なんとかいけました。
当たり前のことばかりで拍子抜けしてしまうかもしれませんが…。
これだけだとなんなので、もうちょっと具体的に書いてみます。
一例として、2018年 記述式問題「贈与契約」を詳説してみる
平成30年度(2018年)の記述式問題46「書面によらない贈与」について、私がわりと自信を持って答案を書くことができたのは、端的にいうと『基本問題集』(P.455~456 61 贈与契約 )で勉強していたからです。このページは、6月から11月にかけて5回以上反復しています。
さらに『過去問題集』でも「贈与契約」(P.277~279 債権各論 / 契約各論)を勉強しています。 こちらは7月と9月、計2回やっています。
画像的にキレイじゃないのですが、実際に『基本問題集』を勉強した跡はこんな感じです。
リサイズがうまくいかなかったので画像のリンクを貼ります。約600KBあるのでご注意ください。
このページに私が書き込んだメモは下記のとおりです。
贈与契約の一種である「書面によらない贈与」
⇒ 各当事者は撤回することができる。
⇒ ただし、履行が終わった部分は撤回できない。
履行が終わった部分とは?
⇒ 動産の場合:引渡し
⇒ 不動産の場合:引渡し または 登記
まさに出題されたところですよね。こういったことは日々の勉強の過程で少しずつ身についていく、というか身につくように反復するということなんですよね。
もちろん『合格革命 基本問題集』と『LEC ウォーク問過去問題集』
以外にも、『合格革命 基本テキスト』
と『合格革命 千問ノック』
(さらに副教材として民法は『民法がわかった』
、行政法は『新クイックマスター 行政法』
)といった、基本を固める教材を反復したことによって、記述式問題にも対応できたのだと思います。
平成30年度の記述式で出題された「問題44 行政事件訴訟の類型」、「問題45 成年後見人の追認」についても同様です。
日頃の勉強で常に気をつけていたこと
日頃の試験勉強で私が特に気をつけていたことがあります。習慣というか性分という感じです。
当たり前のことばかりになってしまうのですが…、一応書いておきます。
- 法律用語の定義をしっかり頭に入れ、常に意識すること
- 比較対照できるところ、混同してしまいそうなところを、常に確認すること
具体例を挙げます。
- 取消し
- 無効
- 撤回
- 解除
この辺りの素人からすると似たような用語、 混ざってしまいそうな用語の定義を、一覧して比べられるようにノートにまとめ、問題を解くときなどに参照したり、連想的に思い出したりするようにしていました。
問題に「成年後見人」というキーワードが出てきた場合だったら…、
「成年後見人」は「取消権者」なんだ。撤回や解除や無効ではなく、取り消しなんだ。[⇐ 混同してしまいそうな点を、いちいち思い出して確認]
「取消し」とは、いったん効力が生じた行為を当初にさかのぼって無効であったものとみなす行為なのか[⇐ そのつどノートを参照し、いちいち定義を確認]
「無効」っていうのは、客観的にみて法律行為が法的効果を与えるにふさわしくない場合のことで、無効な法律行為の効果は当初からまったく生じないんだな[⇐ そのつどノートを参照し、いちいち定義を確認]
こんな風にしつこく自分に言い聞かせながら勉強していました。こういう日頃の積み重ねが、運の良さと相まって最終的に活きてきたのかなと思います。
まとめ:記述式問題の対策と勉強法
最後に今回の記事をまとめてみます。
特別な記述式対策をしなくても、基本の反復に徹した勉強で対応できる場合あり!
記述式に特化した問題演習をたくさんできるなら、それに越したことはありません。しかし、予定していた対策が十分にできなかったとしても、完全にあきらめて放り出してしまわない限り、勝機は残されています。
ごくごく当たり前の基本的な勉強をとおして、キーワードやポイント(法律用語・法律要件・法律効果など)を頭の中に入れておいたことで、私の場合はなんとか書けました。
また、『基本問題集』に収録された記述式問題の過去問を反復し、最低限の訓練(40字で記述する)をしていたことにも意味があったと思います。
『40字記述式問題集』にも多少手をつけていますが、反復(復習・見直し)していないのでやったうちに入らないというか、私にとってはゼロカウントです。
平成30年度の記述式は、3問とも基礎力が問われる問題でした。日々の勉強で基本を押さえ、シンプルに解答するということに尽きた感じです。これが毎年通用するのかどうか? それは残念ながら何ともいいようがないですよね…。
3問ともまったく頭に入っていない論点が出る可能性だってあったわけですから、ある程度の運は味方だったと思います。どんな問題が出てきても絶対に書ける! というレベルには達していなかったので。。。
このブログでは毎回のようにぐだぐだ、ボロボロだった受験準備期間の状況をさらしているようなものなのですが、たとえ自分が立てた計画どおりに勉強が進まなくても、やり残した教材があったとしても、最後まであきらめないで試験に臨むことが大切なのではないか、そこには可能性が残されている! ということをお伝えできればと考えています。
今回はここまでです。ひとつの私見として、いちサンプルとしてみなさんの参考になれば幸いです! 行政書士試験についてのエントリーは、あと数回だけ続く予定です。
それでは、どうもありがとうございました! 今後ともどうぞよろしくお願いいたします!