遅読家を呪縛から解放する福音書?『遅読家のための読書術』【読書レビュー】

どーも、みなさん! いちみほんじん(一見本人)です。

 

私、遅読に関してはプロ級です。本当に遅いです。専門書だったら1時間に10ページ、新書や小説の類いであっても1時間に20ページ程度なんてことがザラにあります。それを自分で良しとしているのであれば問題ないのですが、我ながらほとほとうんざりしていて大きなストレスを感じています。

読みたい本も観たい映画やドラマも、いっぱいあるのにー!

 

というわけで、遅読家を救ってくれる読書術を日々探し求めています。そんな遅読家のための読書術クエスト、今回は印南敦史著『遅読家のための読書術 情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣』を取り上げたいと思います。

 

この本はまさに「遅読家のための」と銘打っているので、期待感が高まります! 遅読家を救う福音書となってくれるのでしょうか?

 

 

遅読家の習性が明らかに!

こちらが版元のキャッチコピーです。ワクワクする一文!

なぜ「1ページ5分」の遅読家が年700本の書評家になれたのか?

遅読家のための読書術 | 書籍 | ダイヤモンド社

 

「1ページ5分」というのは私のふだんの読書力、ほぼそのままです。希望の光が見えてきました。著者の印南さんご自身が遅読家であったということから、本書には本当に身につまされるというか共感できる言葉がたくさん出てきます。

 

遅読家というのは、読書に対する「真面目さ」を捨てきれない人のことです。

P.42 印南著敦史『遅読家のための読書術』

 

私が罹患している重篤な"一字一句読まないければ気がすまない病"は、作者への敬意の現れでもあると思っているのですが、真面目に向き合おうとし過ぎて読書のハードルが異常に上がってしまっているという自覚はあります。多少の自覚があっても抜け出せないでいる状況...。

 

本を読むことを大げさに考え、「熟読の呪縛」にとらわれている人は、「たった1回きりの読書で、本の中身を頭の中にコピーしてやろう」というずいぶんと欲張りな考え方をしています。

P.72 印南著敦史『遅読家のための読書術』

 

この一節を読んでハッとさせられました。まったくその通り! 読書と暗記物は全く別物だというのは当然分かっているはずなのに、どうしても「本の中身を頭の中にコピー」しようという意識が無自覚に働いている気がします。私の"一字一句読まないければ気がすまない病"の背後には、このような的外れな欲求が隠れているのかもしれません。

 

本書は遅読家あるあるというか、遅読家が無意識ながら感じていたことをバシバシと指摘してくれるので、読んでいると気分がスッキリ、頭の中がクリアになっていく感覚があります。

 

客観的にガツンと指摘されて初めて、無自覚・無意識であったことを自覚・意識化できる場合がありますよね。非常に大事なことだと思います。まず遅読家の習性を自覚する、ここから遅読家卒業への第一歩を踏み出せそうな気がします。

 

遅読家を救う「フロー・リーディング」とは?

遅読家の習性をしっかりと自覚をしたところで、これまでの読書に対するスタンスを変えていく必要がありますね。読書法として、著者はストック型読書フロー型読書という概念を打ち出しています。 

 

  • ストック型読書
    本に書かれていることを頭の中に「貯蔵」することに重きを置いた従来型の本の読み方
  • フロー型読書(フロー・リーディング)
    その本に書かれた内容が、自分の内部を“流れていく”ことに価値を見出す読書法

 

遅読家はストック型読書に固執するあまりに、読書をハードなものにしてしまっているわけですね。楽しいはずの読書が全然楽しめなかったり、逆にストレスを感じたりしてしまう。フロー型読書へと意識を変えていけば、この状況から抜け出せそうです。

 

 「本を速く読める人」と「遅くしか読めない人」がいるのではありません。「熟読の呪縛から自由な人」と「それにまだとらわれている人」がいるだけなのです。

 大切なのは、その本を読んだ結果として、知識や発見のひとかけらが頭の中に残ること。ほんの断片でもいいのです。なにか印象的なことが1つでも残ったなら、その読書は成功したと考えるべきです。

P.34 印南著敦史『遅読家のための読書術』

 

読書術といっても技術的なことよりも、まず意識・姿勢・発想を変えることが何より大事なんだと思いました。とことん気持ちを楽にしてくれます。

 

今までの私の読書はちょっとケチくさい発想だったのかな、と反省。もちろん内容を頭に叩き込まなければならない本、叩き込みたい本、暗唱したいくらい好きな本などなど、ストック型読書に当てはまる本も中にはあると思いますが、特に小説やエッセイ、ビジネス書あたりについてはこのフロー・リーディングを意識していきたいと思います。 

 

本の価値を残すためのテクニック

また、著者はフロー・リーディングの後に行っているというテクニックを教えてくれています。

僕のような凡人が本の価値をわがものにしたいのであれば、まずは「1箇所にまとめて書き出す」しかないのです。

P.144 印南著敦史『遅読家のための読書術』

 

具体的には下記の3ステップです。

  1. 1ライン・サンプリング:引用リスト
  2. 1ライン・エッセンス:「もっともすばらしいと思った引用」を1つだけ選ぶ
  3. 1ライン・レビュー:1ライン・エッセンスについて「なぜこの1行に感動したのか?」という観点で、ひと口メモを書く

 

引用ノート作成で終わらせないで、その中からマイ・ベストを選んだり、自分の感想をひと口メモでもいいから書く、こういう能動的な作業がやはり必要なんでしょうね。アウトプットによる記憶の強化は、あらゆる場面で有用なようです。

 

私は読書中、あるいは読後に引用ノートを作ることが多いのですが、それだけだとどうしても受け身です。作成した引用ノートを何度も読み返すならまだしも、あまりそれをしないので何も残らないことが多いです。

 

本を読んだときに自分が何を考えていたのか、何を感じたのかをほんのちょっとでも書き残しておくこと。私の場合、引用ノート作りで力尽きてしまい、ごく一部しかそれが出来ていないので本当に心がけていきたいと思います。読み返したときに何より自分が楽しいんですよね。

 

尚このテクニックについては、まだ後工程等があるので詳細は本書をご参照ください。

 

最後にまとめのひと言レビュー

締めとして一言でまとめたいと思います。

ひと言レビュー

遅読家の習性についてズバリ指摘されると、それだけで気持ちが救われるという効用アリ。まず読書に対する姿勢や発想を変えることが鍵。本書はそのきっかけを与えてくれるかも。

 

最後の最後に遅読家に突き刺さる、決して忘れてはいけない言葉を引用して終わります。

「いつでも読める」では「いつまでも」読めない

P.152 印南著敦史『遅読家のための読書術』

 

 今回はここまでです。ありがとうございました! 今後ともよろしくお願いいたします!