【大人の勉強術】ズボラさんに朗報!翌日の復習は不要だった!『実験心理学が見つけた超効率的勉強法』【読書レビュー】

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WokandapixによるPixabayからの画像

 

どーも、みなさん! いちみほんじん(一見本人 / いちサンプル)です。

 

大人の勉強術を諸般の書物から学んでいこう!というテーマで記事を更新しています。

 

大人の勉強術と題しましたが、世代(大人、保護者、小学生、中学生、高校生、大学生などすべて)や対象(日々の学習、受験勉強、資格試験、自己啓発などあらゆる領域)を問わず、幅広く役立つ内容を取り上げていきたいと考えています。

 

今回は、竹内龍人著『実験心理学が見つけた 超効率的勉強法』から学びたいと思います! 文章やイラストから主に小中学生向けに書かれた本だと思われるのですが、年齢を問わず大人にも子供にも役立つ学習指南書ですよー

 

 

本書の特長:試験に勝つ効率性を客観性に

さっそく本書の特長を引用してみましょう。

「効率的に試験で高得点をとり目標を達成するための勉強法」

1) 効率のよさを追求したこと。
2) 心理学実験で実証された事柄のみを掲載していること。

竹内龍人『実験心理学が見つけた超効率的勉強法』

 

このように試験で結果を出すことを目的とした具体的な内容になっています。そして、この本に書かれている勉強法にはすべて実験心理学の検証データによる裏付けがあるんですね。一部ではなくて、全部ですよ! 個人の経験や主観的にもとづいた勉強法指南ではなく、客観的な実験によるものなので信頼性が高いといえます。

 

ちなみに、メンタリストDaiGoさんの著書によると効率的な学習法に個人差はほとんどないそうです。 

本当に効く勉強法には、個人差などないのです。

P.29 メンタリストDaiGo『超効率勉強法』

 

 

なるほど、これなら安心して取り組んでいけそうですね。とにかく本書に書かれていることを実践して自ら検証していくことが大事なんだろうと思います。

 

"超効率的勉強法" その1:「分散学習」とは?

本書が明らかにする"超効率的勉強法"のひとつに「分散学習」があります。

 

分散学習と集中学習の違いとは?

さて、「分散学習」とは具体的にどういうことでしょうか? 「分散学習」と対になる学習法として「集中学習」というものがあります。対比してまとめてみると以下のようになります。

 

分散学習 集中学習
学習後、しばらくたってから復習 学習後、すぐに復習
ある適切な時間間隔を空けて復習を行うこと ある学習課題が十分に理解できたすぐあとに、
同じか、あるいはよく似た課題の学習を続けて行うこと

 

本書によると、長期記憶に効果を発揮するのは「分散学習」なんだそうです。一方、「集中学習」は長期記憶に有効ではないという、驚きの実験結果が示されています。

 

この分散学習でテストの成績が向上することを「分散効果」というのだそうです。

 

エビングハウスの忘却曲線はどうなる?

これはどういうことかというと、つまりですね、あの有名ないわゆる忘却曲線に必ずしも従う必要はないということを意味しているわけですよね。一般的に暗記術として理解されているエビングハウスの忘却曲線では、だいたい下記のような間隔で復習すべきとされているのを見かけます。

 

エビングハウスの忘却曲線による復習のモデルケース(一例)

⇒当日、翌日、1週間後、2週間後、1ヶ月後に復習する

 

これ、ちょっと億劫だと思いません? 正確なタイミングで復習しよう計画を立てたり、復習にかかる時間や頻度を考えたらかなりの負担になりますよね。完璧主義者だったりすると尚更キツイ。All or Nothingになりがちな私の場合、もうやる前からお手上げ!

 

しかし、です。 

 

上記のモデルケースを「分散効果」で考えると、当日の復習は分散学習ではなく集中学習になるので不要ということになります! 本書が説く最適な復習のタイミング*1では、なんと翌日の復習も不要と考えていい!

 

これ、ものすごく気が楽になりませんか? ズボラでOK!なんだと科学的にお墨付きをもらったような気分です。取っ掛かりのハードルが下がるとモチベーションが俄然高まりますよね~。

 

このように分散学習は直感やこれまでの常識には反するけれども、最初の学習の直後に復習(集中学習)をしても効果がないので、しばらくたってから復習(分散学習)する! これが超効率的勉強法だそうです!

 

ただし、エビングハウスの忘却曲線については誤解があるようです。興味深い記事がありましたのでご参照ください。

zooming.jp

 

集中学習が適切な場合もある

とはいえ、学習した後にすぐ復習する「集中学習」が効果的な場合もあるとのことです。勉強した内容をよく理解できていない、また、しっかり覚えていないと感じたときは集中学習をすべきだそうです。

 

まとめると下記のようになります。

  • 基本は分散学習。しかし理解度に応じて分散学習と集中学習を使い分ける。
  • 学習した内容をよく理解していない場合は、すぐに復習する集中学習が効果的。
  • 分散学習と集中学習の使い分けは、自分で判断するのが一番正確。

  

この分散学習・分散効果についても、本書には実験内容とその結果が記載されています。客観的なデータで具体的に示されると説得力が増してグッと腹落ちすると思いますので、是非本書を手にとってみてくださいね。

 

  

"超効率的勉強法" その2:「テスト効果」とは?

本書で取り上げられている"超効率的勉強法"のひとつには、「テスト効果」というものがあります。「テスト効果」についての説明を引用してみます。

(略)最近の研究から、テストを受けるだけで学力が上がることがわかってきました。しかもテストを効率的に行うと、全体の勉強時間を減らす一方で高得点を上げることができる、というのです。

P.41 竹内龍人『実験心理学が見つけた超効率的勉強法』

 

試験勉強では過去問の重要性や問題集を中心にすべきだということがよく言われます。これは実験結果からも確認されていることなんですねー。私自身、実践してきたことでもあり、経験上、やはり一定の効果はあったと感じています。試験に合格するための勉強方法としては、テキストを読み込むことよりも問題集を反復することがやはり王道といえるようです。

 

再学習と再テストによる復習方法の実験を紹介

さて、ここで本書で私が特に強い印象を受けた実験を紹介したいと思います。

 

直前のテストで不正解だった単語について、復習方法の違いは成績にどのような影響を与えるのか? というものです。4種類にグループを分けてそれぞれ異なるやり方で復習を行なった実験です。

  • グループ1:全単語の再学習と再テストを行う。
  • グループ2:テストで不正解だった単語のみ再学習、全単語を再テストする。
  • グループ3:全単語の再学習を行い、テストで不正解だった単語のみ再テストする。
  • グループ4:テストで不正解だった単語のみ、再学習と再テストを行う。

 

なお、ここでの再学習と再テストは以下の定義になります。 

  • 再学習:テスト形式を利用しない「読むだけの」復習方法
  • 再テスト:小テストを利用した復習法

 

みなさんは、どのグループが一番よい成果を挙げたと思われますか? それぞれ良し悪しがありそうな印象を受けますが…。

 

ざっくりと結果を記すと以下のようになります。

[成績が良かった順番]

  1. グループ1、グループ2
  2. グループ3
  3. グループ4

[勉強の総時間が少ない順番]

  1. グループ4
  2. グループ2
  3. グループ3
  4. グループ1

 

この実験結果の詳しい数値は本書をご覧になっていただきたいんですけれども、驚きの結果だと思いませんか? つまりグループ2の復習方法が効率的なやり方だったということです。グループ2は最終的な成績がトップでありながら、総勉強時間は2番目に少ない。グループ2と勉強時間が同程度だったグループ3はグループ2の半分の点数しかとれなかった。また、グループ2の勉強時間は、最も多く勉強したグループ1の7割程度だった、ということでした。

 

 つまり、再学習よりも再テストに時間を使った方が、同じ時間を勉強するのであれば得点はずっと高くなるのです。この結果は、教科書や参考書を読むだけではほとんど記憶に残らない、ということを意味します。テストを利用して自分で思い出す努力をする復習方法こそが、効率的かつ効果的な方法なのです。

P.45 竹内龍人『実験心理学が見つけた超効率的勉強法』

 

効率性を考えるとグループ4の復習方法が良いようなイメージがあるのですが、意外にもグループ2のやり方がもっとも効率的に結果を出したわけです。

 

私の勉強のやり方を振り返ると、たまたまなんですがグループ2のようにやってきたことが多かったです。自分の記憶力がしょぼいことを承知している。正解した箇所もそのうちどうせ忘れてしまうと自覚しているし、正解したところを後で間違えるのはくやしいから、問題集を反復するときは全問やり直さないと気がすまない。でも、こういうやり方はとても非効率的な勉強法だという気がしていて、自分の性分に嫌気がさしている。こんな感覚がずっとありました。ところが、ところが、科学的にこの復習方法でOKだったようです。いやあ、良かった! これまで思いっきり自己嫌悪があったので個人的に非常に安心しました。

 

最強の勉強法=分散学習×テスト効果

さあ、ここで最強の勉強法をまとめることにしましょう!

「テスト効果」と「分散学習」の組み合わせが最強の勉強法

P.64 竹内龍人『実験心理学が見つけた超効率的勉強法』

 

具体的には下記のようなやり方になります。 

  • 復習はテスト形式で問題を解く(テスト効果)
  • 復習のための小テストを行う場合は、間隔を空ける(分散学習)
  • 答え合わせは翌日以降でよい(分散学習)
  • 時間間隔を空けて何回も復習する
  • 5回正解すれば、その後何度やっても同じ

 

メンタルの重要性を認識する

この本は「テクニック編」と「メンタル編」に分かれています。今まで取り上げてきた内容は「テクニック編」なのですが、「メンタル編」にも目からウロコがぽろぽろ落ちていくようなことが沢山書かれています。学習効率においてメンタルが成績に与える影響は、私たちが考えている以上に大きいことが分かるんですね。普段あまり意識していないことでなかなか実感がわかないのですが、メンタルがテクニックと同程度の重要性を持っていることをもっとしっかりと認識すべきなんだと思いました。

 

そのことをうかがい知れる一節をひとつだけ引用しておきます。

(略)試験を突破する力と知能指数があまり関係ない、という研究結果は重要です。このことは、効率的に勉強しさえすれば、誰でも成功をつかめることを意味しているのですから。(略)ですから試験勉強に対しては、効率的に取り組むことが一番です。必要なのは、ちょっとの自制心。これが合否を分けるのです。

P.197 竹内龍人『実験心理学が見つけた超効率的勉強法』

 

どうでしょう? モチベーションが上がりますよね! あいにく結果が出ないとき、それは能力のせいではなくただ単に方法が間違っていたから、なのかもしれません。方法を見直したうえで気分よく勉強に取り組むことが出来れば、成績アップにつながる可能性が大いにあります。そして良い結果がモチベーションを高め、さらなる成果を生み出していく…。効率的なテクニックとともに勉強術におけるメンタルの重要性を知っていれば、こういった好循環を意識的に開始することができそうです。理想通りにいくとはかぎりませんが、試す価値はありますね。

 

最後にまとめのひと言レビュー

締めとして一言でまとめたいと思います。

ひと言レビュー

勉強を始める前に勉強術を学ぶことには意味があった。急がば回れ! 超効率的な勉強法は意外にもズボラな人、多忙な人の味方だった! 気を楽にして実践あるのみ! 

 

この読書レビューでは主に「分散学習」と「テスト効果」についてざっくりと紹介しました。この二つを組み合わせた最強の勉強法のほかに、最適な復習のタイミングを教えてくれる「1:5の法則」(これはかなり重要!)、多肢選択問題に対応するための勉強法、数学に特化した勉強方法、思い込みが結果に与える影響などなど、大変興味深く有用な内容が多い本です。

 

私にとってはこれらはすべて小中学生、遅くとも高校生の頃に知りたかった内容でした! 効率的な勉強法として意外なこと、直感に反すること、これまでの常識と異なることが書かれているので、興味を持たれた方は是非本書*2を読んでみてください。

 

今回はここまでです。どうもありがとうございました! 今後ともよろしくお願いいたします!

 

*1:「1:5の法則」。本記事では省略します。

*2:本書には新版があります。『進化する勉強法: 漢字学習から算数、英語、プログラミングまで